Amazonの新世代AIアシスタント『Alexa+』徹底解説

2025年2月、Amazonが新たに音声アシスタント「Alexa+(アレクサ プラス)」を発表しました。2014年の初代Alexa誕生以来、過去最大規模のアップグレードとして大きな注目を集めています。生成AI(大規模言語モデル)を組み込んだことで自然な対話力が飛躍的に向上し、より人間らしい応答が可能になっています。

本記事では、Alexa+の機能・仕様・リリース情報・競合比較・今後の展望を総合的に解説します。ぜひ参考にしてみてください。

仲 思成
著者: 仲 思成

AI導入.comを提供する株式会社FirstShift 代表取締役。トロント大学コンピューターサイエンス学科卒業。株式会社ANIFTYを創業後、世界初のブロックチェーンサービスを開発し、東証プライム上場企業に売却。その後、マッキンゼー・アンド・カンパニーにコンサルタントとして入社。マッキンゼー日本オフィス初の生成AIプロジェクトに従事後、株式会社FirstShiftを創業。

Alexa+とは

(出典:Amazon)

Alexa+とは、Amazonが提供する音声アシスタントAlexaのアップデート版のことです。

Alexa+は2014年に登場した初代Alexa以来、最大規模のアップデート版として2025年2月に発表されました。

従来は1文程度の簡単な応答しかできませんでしたが、新たに生成AIが導入されたことで、より人間らしい自然な会話を長文で行えるようになりました。
2025年3月から、まずは米国を中心に画面付きのディスプレイ搭載スマートスピーカーから使用できる見通しとなっており、今後より多くの既存Alexa対応デバイス(Echoスマートスピーカー、Fireタブレット、スマートテレビなど)でもAlexa+が使えるようになる予定です。

Alexa+の主なAI機能

Alexa+では生成AIの導入によって、従来のAlexaから大幅にAI機能が強化されています。

ここでは、6つの新機能を順に紹介します。

機能1:自然な対話能力

Alexa+では**生成AI(大規模言語モデル)**を導入することで、自然な対話能力が向上しました。

従来までの会話のぎこちなさが減り、複雑な要望に対してもより人間らしい受け答えをすることができます。

機能1:文脈記憶とパーソナライズ

従来のAlexaは毎回やり取りがリセットされる傾向がありましたが、Alexa+では過去の会話や個人の嗜好を学習して次回以降に生かす機能が追加されました。

たとえば一度「ベジタリアン」と伝えると、後のレシピ提案時に肉類を避けるなど、顧客ごとにきめ細かい文脈記憶とパーソナライズが可能です。

機能3:複数リクエストへの連続対応

Alexa+では「明日の天気を教えて。その後にピザを注文して」など、複数のリクエストを連続的に処理できます。

従来の一問一答形式から進化し、一度に複数のリクエストに対応できるようになったことで、ユーザーの使い勝手が向上しています。

機能4:エージェント機能

Alexa+は細かい指示を受けなくても自律的にタスクをこなすエージェント機能が追加されました。

例えば、ユーザーの許可を得たうえで対応するサービスを通じてAlexa+が自律的にレストランの予約をするといったタスクを遂行することができます。

機能5:感情トーンの分析

Alexa+では、マイク入力されたユーザーの声のトーンから感情を分析し、それに応じた話し方に変化させる機能が追加されました。

これによってユーザーが緊張していると判断した場合、Alexa+が穏やかなトーンで話すといったより人間らしい応答が可能になりました。

機能6:創造的コンテンツ生成

従来のAlexaでは既存のコンテンツにアクセスするだけでしたが、Alexa+ではオリジナルコンテンツを生成する機能が追加されました。

例えば、子ども向けのオリジナルストーリーを即興で読み上げたり、簡単な曲を作曲して歌うなどクリエイティブなタスクが遂行することができます。

Alexa+の料金体系

Alexa+ はAmazonプライム会員か非会員かでその料金が異なります。具体的な料金体型は下の表の通りです。

ユーザー種別 料金
Amazonプライム会員 追加料金なし(無料)
プライム非会員 月額19.99ドル(約3,000円)

プライム会員でない方は、月額料金を支払うか、これを機にプライム会員に加盟するのも手かもしれません。

Alexa+の競合製品との比較

ここでは、Alexa+とGoogle AssistantやApple Siri、ChatGPTといった主要な競合との違いを説明します。

Google Assistant(Bard/Gemini)との違い

Googleは自社の対話AI「Bard」や次世代モデル「Gemini」を組み込み、音声アシスタントであるGoogle Assistantの強化を図っています。

Google AssistantはAndroidスマートフォンやGmail、Googleカレンダーなどと深く連携することができるため、個人のスケジュール管理や情報検索においてはAlexaよりも使い勝手が良い可能性が高いです。

一方、Alexa+はAmazon通販やスマートホーム制御の領域と連携しショッピングやスマートホームに強みを持っているため、Google Assistantに比べて生活系のタスクに活用しやすいと言えそうです。

Apple Siri(Apple Intelligence)との違い

Appleは「Apple Intelligence」という独自の生成AIをSiriに搭載すると発表しています。

Apple Intelligenceはローカル環境での処理を重視しているため、Alexa+よりもプライバシー保護やオフライン対応に強みを持っています。

一方、Alexa+はクラウド上の生成AIを活用する方針でプライバシー保護やオフライン対応においてはApple Intelligenceに劣後しますが、Apple Intelligenceより性能の高い生成AIが搭載されています。

ChatGPTとの違い

OpenAIのChatGPTは音声入力・出力機能も追加され自然な会話をすることができますが、スマートホームの制御やデバイス連携といった実世界への働きかけはAlexa+に比べて限定的です。

一方、Alexa+はハードウェアとサービスを広く連携しているため、ChatGPTと比べて物理的なデバイスの制御において活用しやすいと言えます。

これらのプロダクト感の違いを表にまとめたものがこちらです。

音声アシスタント 提供企業 連携サービス・特徴 強み 弱み
Alexa+ Amazon - Amazon通販やスマートホーム制御と連携 - ショッピングやスマートホームの領域に強み - 広範囲なハードウェアやサービスとの連携 - プライバシー保護やオフライン対応ではAppleに劣る
Google Assistant(Bard/Gemini) Google - Androidスマートフォン、Gmail、Googleカレンダーなどと深く連携 - 個人のスケジュール管理や情報検索に強み - スマートホーム製品との連携はAmazonに比べると限定的
Apple Siri(Apple Intelligence) Apple - Apple独自の生成AI「Apple Intelligence」をSiriに搭載 - プライバシー保護やオフライン対応が強み - クラウドベースの高度な生成AIに比べると性能面で劣る可能性
ChatGPT OpenAI - 高度な自然言語応答機能- 音声入出力に対応 (Voice機能) - 会話能力が高く幅広い質問・対話に対応 - スマートホーム制御やデバイス連携は限定的

Alexa+はスマートホーム連携とAmazonの通販機能が強みなので、自宅の家電を制御したりショッピングをしたりするときに利用すると便利です。

Alexa+の今後のアップデート

ここでは現時点でアップデートが予想されている「多言語対応」や「自社AIモデルの差し替え」について説明します。

多言語対応

英語圏で始まったAlexa+も、今後日本語を含む多言語対応が進む見通しです。

具体的にいつ多言語対応が始まるかは2025年3月時点では未定となっています。

自社AIモデルへの差し替え

Alexa+では現在Amazonが出資しているAnthropic社のAIモデル「Claude」を利用していますが、今後はAmazonが自社AIモデルの開発を進め、Alexa+の裏側の言語モデルを差し替えて強化する方針を示しています。

これによってローカル処理ができるAIモデルの導入が進めば、応答速度やプライバシー面が改善される可能性があります。

Alexa+が市場にもたらす影響

ここではAlexa+がもたらす影響について整理します。

Alexa+が登場することで、GoogleやAppleなどの競合他社が、さらに改良した音声アシスタントを投入する可能性があります。そうなれば、ユーザーにとっては音声アシスタントの選択肢が増え、より高度で便利なAIアシスタントが身近になるでしょう。

今後1~2年で、各社の音声AIがどこまで進化し、Alexa+がその中でリーダーシップを取ることができるのか注目されます。

まとめ

Alexa+は、Amazonの音声アシスタントに生成AIを導入し、自然な会話や文脈記憶、複数タスク対応など大幅な機能向上を実現した最新アップデート版です。

Alexa+では従来に比べスマートホーム制御や通販機能との連携がさらに強化され、多言語対応や自社開発AIモデルの導入などの発展も予定されており、幅広いユーザー層での活用が期待されています。

同時にGoogleやAppleなどとの競合も激化しているため、音声アシスタント市場はさらに活性化していくでしょう。

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