AI導入の進め方ガイド|ステップ毎のポイントを実例踏まえ完全解説
「AI導入したいけど、どうやって進めればいいの?」「どの事業者と組めばいいんだろう...」
このように、AI導入にお悩みではないでしょうか?
昨今、先進国ではAI(人工知能)の活用が各産業で加速している一方、日本企業、特に中小企業においては、依然としてアナログな業務プロセスやレガシーシステムが根強く残り、世界平均に比べてAI導入が後手に回っている現状があります。
一方で、AI導入のためには正しいAI導入のプロセスを正しく理解しなければ、進めることはできません。
そんなみなさんのために、この記事ではAI導入のプロセスとポイントを解説します。ぜひ最後までご覧ください。
また、弊社では「AI使いたいが、どのような適用領域があるのかわからない…」「AI導入の際どのサービス提供者や開発企業を組めばいいかわからない…」という事業者の皆様に、マッキンゼーやBCGで生成AIプロジェクトを経験したエキスパートが完全無料で相談に乗っております。
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AI導入.comを提供する株式会社FirstShift 代表取締役。トロント大学コンピューターサイエンス学科卒業。株式会社ANIFTYを創業後、世界初のブロックチェーンサービスを開発し、東証プライム上場企業に売却。その後、マッキンゼー・アンド・カンパニーにコンサルタントとして入社。マッキンゼー日本オフィス初の生成AIプロジェクトに従事後、株式会社FirstShiftを創業。
企業におけるAI導入の意義・メリット
企業のAI積極活用は、世界の経済全体、そして各企業の経営に莫大な効果をもたらすと推計されています。
ここではAI導入すべき4つの理由を解説します。
競争力の強化
AIにより大量のデータを高速に解析し、市場動向や顧客ニーズを素早く掴むことで、製品やサービスの開発スピードを向上させることができます。
例えばAIが24時間稼働することで、リアルタイムな監視や予知保全が可能となり、製品やサービスの品質向上に寄与します。
新たな価値創造
AIの導入によって、従来は気づかなかった潜在的な顧客層やサービスアイデアを発掘できる。これにより革新的なビジネスモデルが生まれ、自社の収益源や成長機会を拡大させる。
意思決定の高度化
AIが提供する定量的な分析や予測モデルを活用すれば、経営戦略やリスク管理など重要な判断を素早くかつ正確に行える。組織全体の意思決定プロセスが効率化し、業績向上につながる。
将来リスクへの備え
レガシーシステムの更改が進まないことで、サイバーセキュリティリスクへの対応が十分にできなかったり、社内IT人材が不足したりすることで企業の事業の維持・存続に影響が出るほか、2040年問題に伴う労働力不足・社会保障費増大のリスクもあります。これらを回避するためにも、早期のAI導入が求められています。
日本企業のAI導入状況
総務省の「令和元年版情報通信白書」などの各種報告によると、日本のAI活用企業、いわゆる「AIアクティブ・プレイヤー」の割合は、中国やアメリカ、ドイツなど主要国と比較して低い状況にあります。
- 国際比較: 例えば、中国企業の導入率が85%に対し、日本は約39%と大きな差が存在します。
- 業種別状況: テクノロジー・メディア・通信分野では海外と同等の水準にあるものの、エネルギーやヘルスケアなど多くの分野では導入が遅れています。
AI導入プロセスの5つのステップとそれぞれにおけるポイント
AI導入は一朝一夕に実現するものではなく、以下のステップを踏む必要があります。
1. 調査・情報収集
自社の課題や他社事例を調査し、どの業務にAIが適しているか検討する。
2. 目的設定
- 現状分析と課題抽出: 自社の業務プロセスを見直し、どの部分がボトルネックとなっているかを洗い出す。
- 導入目的の明確化: 業務効率化、コスト削減、売上向上など、AI導入によって達成したい目標を数値目標と共に設定する。
3. 開発パートナーの選定
自社で開発ケイパビリティを十分持っていない事業者がほとんどなため、大抵は開発ベンダーへの委託も含めて開発体制を組成します。
具体的には、専門家との連携: 自社にAIの専門知識が不足している場合、信頼できるツールベンダーやコンサルタントと協力し、具体的な導入計画を策定する。
4. 構築
適切なツール・システムの選定、データの準備、パートナー企業との連携を通じて、プロジェクトを立ち上げる。
- 適切なツールの選定: 業種・業態に応じた機能を持つAIツールを比較検討し、必要十分な機能を備えたものを選ぶ。
- AI学習用データの整備: 大量のデータを整え、AIが効率的に学習できる状態にデータをクレンジング・整形する。
5. 運用
試験運用(パイロットプロジェクト)を経て、フィードバックを反映し、本格的な運用体制を整える。
- パイロットプロジェクト: 限定された部門や業務で試験運用を開始し、システムの動作や業務への影響を検証する。
- フィードバックによる改善: 試験運用で得た結果をもとに、システムや運用体制を改善し、段階的に全社展開へと移行する
AIを導入する際の注意点
一方で、初期投資をはじめとする以下のようなコスト・リスクが短期的には発生します。しかしながら、上記のメリットはこれらのデメリットを凌駕することがほとんどでしょう。
初期投資
AI導入にはインフラ構築費やライセンス料など多額の費用が発生します。投資目的と費用対効果を明確化し、予算配分を適切に行うことで、リスクを抑えながら導入を進められます。
運用上の課題
AIは定期的なモデル再学習やデータ品質の維持が必要です。運用コストや担当人材の確保に加え、現場との連携体制を整えなければ、長期的な成果を得ることは難しいです。
従業員のスキルギャップ
高度な分析能力やプログラミング知識が求められるため、現場社員との能力差が生じやすいです。教育プログラムや研修を整備し、段階的なスキル習得を支援する取り組みが必要です。
セキュリティリスク
AIは大量の機密データを扱うため、不正アクセスや情報漏洩のリスクが高まります。アクセス権限や暗号化などのセキュリティ対策を徹底し、データ保護のルールを厳格化することが重要です。
AIの導入事例【業界別】
AI分野は特にビッグデータの活用や高度な分析技術の進歩により、これまで実現が難しかった課題解決が可能になりつつあります。
ここでは、代表的な業界ごとにAIの導入事例を取り上げ、それぞれの特徴や導入の背景、得られた成果などを具体的にご紹介いたします
製造業
製造業では、画像解析AIで不良品を自動検出し、検査作業を効率化できます。
また過去データから不良発生の傾向を学習し、どの工程で問題が起きやすいか予測する手法も普及中です。
設備保全ではセンサー情報をAIが分析して故障予兆を把握し、計画的なメンテナンスに活かすことで稼働率向上やコスト削減が実現されています。
医療・ヘルスケア
医療分野では、画像診断支援や事務処理の自動化にAIが活用されています。
RIやレントゲン画像をAIが解析することで病変の見落としを減らし、診断精度向上と時間短縮を両立。また、問診や医療事務の自動化によりスタッフの負荷を軽減し、患者対応の質を保ちつつ効率化を図る事例も増えています。
小売業
小売業では、在庫予測や顧客対応をAIで最適化する動きが進んでいます。
過去の販売データや天候要因を学習し、売上予測を高精度化することで無駄な在庫や欠品を削減。また、ECサイトや店頭での問い合わせ対応にチャットボットを導入し、24時間自動応答を可能にするなど、顧客満足度の向上にも貢献しています。
金融業
金融では豊富なデータを活かし、不正取引検知やリスク管理にAIを導入する事例が目立ちます。
取引パターンを機械学習モデルで分析し、新たな詐欺手口や不正行為を早期に発見。融資や保険の審査でも多角的な信用評価を短時間で行えるようになり、書類処理の自動化による業務効率化も進んでいます。
建設・不動産
建設業では、画像認識AIによる品質検査や安全管理が注目されています。
工事現場で撮影したサンプル画像をAIが分析し、熟練者レベルの合否判定を高速化するケースも増加。さらに不動産査定や物件劣化の自動検出などにもAIが応用され、施工計画や資産評価の効率化に寄与しています。
AI導入を成功させるためのポイント
運用体制の構築
AIを運用するには、導入後の継続的なメンテナンス体制や必要人材を整えることが重要です。
データ収集や分析に携わるチームを組織し、責任分担を明確化します。さらに、システム障害時の対応マニュアルやスムーズな連携フローを確立しておくことで、トラブル発生時のリスクを最小限に抑えられます。
継続的な改善
AIの精度を維持するためには、継続的にアルゴリズムやデータセットを見直し改善するプロセスが欠かせません。
現場でのフィードバックを収集し、システムの改善点を素早く反映する仕組みを整えることで、常に現実に即した精度とパフォーマンスを保てます。
セキュリティ対策の徹底
AIが扱うデータには個人情報や機密情報が含まれる可能性が高いため、セキュリティリスクの管理が不可欠です。厳格なアクセス制限や通信の暗号化を行い、常に最新の脆弱性情報をチェックすることで、情報漏洩や不正アクセスを未然に防ぎ、安全な運用環境を維持できます。
まとめと今後の展望
本記事では、国内外のAI導入状況を背景に、日本企業、特に中小企業が直面する課題と、AI導入の意義・必要性について解説しました。
今後、技術の進化とともにAI活用の幅はさらに広がるとともに、中小企業でも柔軟かつ迅速な対応が求められます。自社の強みや業務プロセスを見極め、戦略的なAI導入を進めることが、国内企業全体の未来を切り拓く鍵となるでしょう。
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