AI学習とは?種類別特徴・7つのステップと注意点を徹底解説
AI学習について気になったけれど、「そもそも学習って何を指すの?」「どうやって行われているの?」と感じたことはありませんか?
この記事では、AIにおける「学習」の意味や種類、具体的なステップ、注意点までを体系的に解説します。
特に、AI開発や導入を検討している方や、AIの仕組みに興味がある方に向けて、実践に役立つ視点でまとめました。
是非最後までご覧ください。
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AI導入.comを提供する株式会社FirstShift 代表取締役。トロント大学コンピューターサイエンス学科卒業。株式会社ANIFTYを創業後、世界初のブロックチェーンサービスを開発し、東証プライム上場企業に売却。その後、マッキンゼー・アンド・カンパニーにコンサルタントとして入社。マッキンゼー日本オフィス初の生成AIプロジェクトに従事後、株式会社FirstShiftを創業。
AIの「学習」とは?
AIの「学習」とは、大量のデータを使ってパターンやルールを見つけ出し、適切な判断や出力ができるようになるプロセスです。
これは人間でいう「経験から学ぶ」ことに近く、AIの性能を左右する最も重要な工程です。
以下では、AIの学習がどう進むのか、関連する用語や種類、実際のステップについて具体的に解説します。
「学習」と「推論」の違い
AIの活用は「学習」と「推論」という2つのフェーズに分かれます。
学習はAIに知識やルールを与える工程であり、推論はその知識を使って新しいデータに対して判断を下す工程です。
たとえば、猫の画像を学習したAIが、未知の猫の画像を見て「これは猫だ」と判断するのが推論です。
両者の役割を正しく理解することが、AI活用において重要です。
学習の過程が重要な理由
AIの性能は、どのようなデータでどう学習させたかに大きく左右されます。
誤ったデータや偏ったデータで学習すると、AIは誤った判断を下す可能性があります。
そのため、AIの「学習」の過程を理解し、適切に設計・管理することが、高品質なAIを作るうえで不可欠です。
AI学習の3種類の仕組み
AIの学習方法には、主に「教師あり学習」「教師なし学習」「強化学習」の3つがあります。
いずれもAIに知識を与える手法ですが、使うデータや目的に応じて適切な方法を選ぶ必要があります。
以下で、それぞれの特徴を解説します。
教師あり学習
教師あり学習は、正解ラベル付きのデータを使ってAIを訓練する方法です。
たとえば「画像に写っているのは猫か犬か」というラベルがあることで、AIは正しい分類方法を学べます。
分類や回帰など明確な答えがあるタスクに適しています。
教師なし学習
教師なし学習は、正解ラベルがないデータからパターンやグループを自動で見つける手法です。
クラスタリングや次元削減などに使われ、ユーザーの行動分析やマーケティング分野で活用されています。
未知の傾向を発見するのに適しています。
強化学習
強化学習は、AIが試行錯誤を繰り返しながら最適な行動を学ぶ仕組みです。
行動に対して「報酬」が与えられ、それを最大化するようにAIは学習を進めます。
ゲームやロボット制御、自動運転など、連続的な判断が求められる場面で活用されます。
AI学習の7つのステップ
AIの学習は、計画からデータの準備、モデルの評価、運用まで段階的に進みます。
ここでは、AI開発の現場でよく採用される7つのステップについて簡潔に解説します。
ステップ1:学習の計画
まず最初に、AIに何を学ばせたいのか、どんな課題を解決したいのかを明確にします。
目的に応じて必要なデータや手法も変わるため、この段階での設計が後工程に大きく影響します。
KPIや評価指標の設定も重要なポイントです。
ステップ2:データの用意
次に、学習に使うデータを収集・整備します。
データの量や質がAIの学習精度に直結するため、信頼性のあるデータを集めることが重要です。
また、取得方法やライセンスにも注意が必要です。
ステップ3:学習手法の選択
課題やデータの特性に応じて、教師あり学習・教師なし学習・強化学習など適切な学習手法を選択します。
また、機械学習アルゴリズムや深層学習モデルの選定もこの段階で行われます。
ステップ4:データの前処理
収集したデータをそのまま使うことは少なく、多くの場合ノイズ除去や欠損補完、正規化などの前処理が必要です。
データ前処理はモデルの精度を大きく左右するため、丁寧に行うことが求められます。
ステップ5:モデルの学習
前処理済みのデータを使い、AIモデルに学習を行わせます。
モデルは試行錯誤を繰り返しながら、正解に近い出力を出せるようにパラメータを調整していきます。
この工程はコンピュータの計算リソースを多く使います。
ステップ6:モデルの評価
学習したモデルがどれだけ正確かを評価します。
学習用とは別の「検証データ」を使って精度を測定し、必要があれば再学習やチューニングを行います。
正確な評価がないと、実用性のないモデルになる可能性があります。
ステップ7:運用・改善
評価を通過したモデルを実環境に導入し、運用を開始します。
ただし、環境やデータの変化によりモデルの精度が低下することもあるため、定期的な見直しと再学習による改善が欠かせません。
学習データの作り方
学習データを作るには、まず対象とする課題やAIの目的を明確にした上で、必要なデータを収集します。
収集方法には、既存の公開データセットを活用する方法、自社で業務データを蓄積する方法、あるいはWebスクレイピングなどがあります。
次に、収集したデータに対して、AIが理解できる形式にするためのラベリング(アノテーション)を行います。
たとえば、画像なら写っている対象物の種類をタグ付けし、テキストなら感情やカテゴリの分類を付けるといった作業です。
その後、データの品質をチェックし、ノイズ除去やフォーマットの統一、偏りの補正などを施す前処理を行います。
最後に、データを訓練用・検証用・テスト用に分割して準備を整えます。
これらの工程を丁寧に行うことで、信頼性の高い学習データを構築することが可能です。
AI学習の注意点
AI学習には便利な側面がある一方で、リスクや注意点も存在します。
特に、利用するデータの扱いや学習の過程に関する理解が不足すると、トラブルを招く恐れがあります。
以下では代表的な注意点を2つ紹介します。
「AI学習禁止」のデータの使用
インターネット上のデータには、AIによる学習を禁止しているものがあります。
著作権やプライバシーの観点から、無断使用が問題になるケースもあるため、使用許諾の確認が必須です。
商用利用を前提とする場合は特に注意が必要です。
過学習の対策が必要
過学習とは、AIが学習データに過度に適応しすぎてしまい、新しいデータに対して正しく対応できなくなる状態です。
これを防ぐためには、適切なモデル構築に加え、検証データの利用や正則化といった工夫が必要です。
まとめ
AIの学習は、大量のデータからパターンを見出し、適切な判断を可能にする重要なプロセスです。
教師あり学習、教師なし学習、強化学習の特徴を理解し、7つのステップに沿った適切な設計・運用を行うことが高性能なAIの鍵となります。
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