Difyとは?ノーコードで生成AIアプリを開発できるオープンソースプラットフォームを解説

この記事のポイント

  • ノーコード/ローコードによるAIアプリ開発の全貌
  • 商用利用の要点やライセンス(使用条件)の整理
  • ChatGPTとの違いや活用ケースの具体的比較
  • 2025年時点の最新機能から見る将来性
  • RAGエンジンを含む高度な拡張性と運用管理の実態
仲 思成
著者: 仲 思成

AI導入.comを提供する株式会社FirstShift 代表取締役。トロント大学コンピューターサイエンス学科卒業。株式会社ANIFTYを創業後、世界初のブロックチェーンサービスを開発し、東証プライム上場企業に売却。その後、マッキンゼー・アンド・カンパニーにコンサルタントとして入社。マッキンゼー日本オフィス初の生成AIプロジェクトに従事後、株式会社FirstShiftを創業。

Dify(ディファイ)とは何か

Dify(ディファイ)は、米国デラウェア州に拠点を置く**LangGenius, Inc.**が開発している、オープンソースの大規模言語モデル(LLM)アプリ開発プラットフォームです。
この章では、Difyの基本概要や誕生経緯、プログラミング不要(ノーコード)での開発を可能にする理由について説明します。

Difyは2023年3月にプロジェクトが発足し、Apache 2.0ライセンスで公開されています。さらに商用ライセンスも提供されており、いわゆる**「オープンコアモデル」を採用しているため、コア部分は無料でセルフホスティング可能**です。
プログラミング不要で複数のLLMを活用できる点が特徴で、バックエンドはPython(Flask)とPostgreSQL、フロントエンドはNext.jsで構築されています。
コミュニティには2024年Q2時点で290人以上が貢献し、公式開発チームも15名以上在籍しており、企業や個人に広く利用されています。

Difyの主な機能とサービス概要

Difyには、ノーコードによるブロック操作や複数モデル対応といった便利な機能がそろっています。
この章では、Difyがどのように複雑なAIアプリを簡単に構築できるかを解説します。

ノーコード開発環境

ドラッグ&ドロップでAIアプリを構築できるノーコード環境が用意されており、プログラミングの知識がない場合でも業務に合わせたツールを素早く作成できます。
ワークフローを視覚的につなぐことで手軽にプロトタイプを作成し、試行錯誤しやすい点が強みです。

多種多様なLLMモデルへの対応

OpenAIやAnthropic、Azure OpenAI、Llama2などの複数のモデルを簡単に切り替えて利用可能です。
さらにRAG(Retrieval-Augmented Generation)機能を活用することで、独自ドキュメントやデータを知識ベースに組み込み、高度な回答を行うチャットボットを作れます。

豊富な外部ツール・API連携

Google検索やSlack、DALL-E、Stable Diffusionなど40種類以上のツールが搭載されており、OpenAIプラグイン規格のツール呼び出しにも対応しています。
これにより画像生成や他サービスとの連携が容易で、複雑なAIワークフローをノーコードで構築できます。

テンプレートによる迅速な開発

チャットボットやテキスト生成ツールなどのテンプレートが用意されているため、ゼロから作らずに最適なひな形からスタートできます。
テンプレートを利用するだけで簡単にAIアプリを試せるので、導入に伴う学習コストも低くなります。

オープンソース+商用利用対応

DifyはApache 2.0ライセンスで無料利用が可能ですが、一定の条件下で商用利用も認められています。公式クラウドでは多言語UIに対応しており、日本語環境にも適しています。
セルフホスティングとクラウドサービスの両方を選べるため、企業規模やセキュリティ要件に応じて柔軟に導入できます。


Difyの料金体系・価格モデル

Difyはオープンソースとして誰でも無償利用できる一方、公式クラウド版「Dify Premium」はサブスクリプションモデルになっています。
この章では、無料プランを含む各プランの主な違いやオープンコアモデルの考え方を解説します。

クラウド版のプラン一覧

Sandbox(無料) Professional Team Enterprise(要相談)
月額料金 $0 $59/月(年契約 $49) $159/月(年契約 $133) 個別見積もり
ユーザー数 1名 最大3名 無制限 無制限
メッセージ数/月 200回 5,000回 10,000回 無制限
アプリ作成数 10個 50個 無制限 無制限
ストレージ容量 5MB 200MB 1GB 無制限
サポート コミュニティフォーラム メールサポート 優先メール&チャット Slack・電話サポート

Sandboxプランは無料で試せますが、メッセージ数やアプリ数に厳しい制限があります。ProfessionalとTeamプランは組織規模や開発規模に合わせて選べる設計です。
Enterpriseプランは完全にカスタムで、オンプレミス導入を含めた無制限利用に対応可能です。

無料から始め、必要に応じて上位プランに切り替える流れが一般的です。


競合他社との比較

生成AIアプリ開発プラットフォームとしては、LangChainやFlowise、さらにZapierのようなワークフロー自動化ツールなどが競合に挙げられます。
この章では、それらとの違いとDifyならではの利点を説明します。

LangChainなどコード主体フレームワークとの比較

LangChainは高度にカスタマイズされた実装に適していますが、Pythonコーディングが必要です。一方でDifyはノーコードUIによって非エンジニアでも扱いやすい点が強みです。
大規模かつ複雑な要件はLangChainとの併用も考えられますが、手軽さや学習コストの低さを重視する場合はDifyが選ばれやすいです。

Zapierとの比較

Zapierは多数の外部サービス連携を強みにしていますが**、AIモデルやデータ管理機能が制限される場合があります。
DifyはAIに特化した機能が充実しているため、LLMを活用するシーンでは有利といえます。**
ただし、本格的な業務自動化では複数ツールの併用も検討されています。

Frowiseとの比較

LangChainをもとにしたAI アプリケーションをノーコードで作ることができますが、エンジニアリングの専門知識を必要とするため、開発者向けのノーコードツールという位置付けになります。

一方,Difyは非エンジニアにとっても扱いやすいという特徴があります。


実際の導入事例・ユースケース

Difyは大企業から中小企業まで幅広く導入が進んでいます。
この章では、日本企業や海外企業での具体的な活用方法を紹介します。

リコーの事例

リコーは2024年11月にLangGenius社とのエンタープライズ契約を締結し、社内でDifyを本格導入しています。社員が自らFAQ自動化やデータ分析支援ツールを開発し、業務のDXを加速させています。
独自開発したオンプレミスLLMと組み合わせることで、顧客向けプライベートLLMソリューションも展開する予定です。

リンクアンドモチベーションの事例

非エンジニアのコンサルタント社員が約100個のミニAIツールをDifyで開発し、メール文面自動生成やアンケート集計など多彩な業務効率化に取り組んでいます。
ブロック操作だけで素早く成果物を作れる点が、多数のアイデアを具現化する要因になっています。

海外大手エレクトロニクス企業の事例

部門横断でマーケティングから開発チームまでがDifyを導入し、翻訳ワークフローや知識ベース構築などをノーコードで運用しています。
全員がAI開発に参加する体制づくりを進め、新たな業務改善の可能性を切り開きました。

実践してみた

今回はGASとNotionとDifyを使って「プロジェクトの進捗状況の定期レポート」を作成するワークフローを作成しました。

以下のようなNotionのデータベースに対して、編集をするとレポートを作成します。

Difyのワークフローは以下のようにさくせしています.


ユーザーの口コミ・評価

Difyの導入によってどのようなメリットや課題があるのでしょうか。
この章では、実際に使っているユーザーからの評価や指摘を紹介します。

肯定的な意見

OSSとして拡張性があること、ノーコードで短期間にツールを作れることが高く評価されています。プロンプトエンジニアリングの初心者でも結果を確認しながら学習でき、手軽にAI開発の幅を広げられる点が魅力です。

懸念点や課題

ノーコードゆえの機能制約もあり、他システムとの連携が複雑な場合はZapierやn8nなどの補完ツールが必要という声があります。大規模開発や高度な要件では、コードベースのフレームワーク(LangChainなど)と併用することも推奨されています。


最新動向・市場トレンド

Difyは世界中で注目を集めており、OSSコミュニティやスタートアップの舞台でも評価されています。
この章では、Dify周辺のトレンドや企業連携の広がりを説明します。

急速なコミュニティ成長

2024年6月時点でGitHubスター数が急上昇し、他の有力LLMフレームワークに迫る勢いになっています。OSSコミュニティの貢献によって新機能やプラグインも迅速に追加されるため、ユーザーからも期待が高まっています。

TechCrunch Disrupt 2024で注目

「Startup Battlefield 200」に選出され、グローバルなスタートアップの舞台でDifyが紹介されました。CEOの陸昱(Luyu)氏は世界規模での開発者コミュニティ形成を目指しており、企業連携を含めたグローバル展開が進んでいます。

大企業との協業拡大

リコーの事例のように、すでにエンタープライズレベルでの導入が進み、独自LLMとの組み合わせも活発です。オープンソースかつマルチクラウド対応の強みが評価され、市場競争の激化が予測されています。


まとめ

Dify(ディファイ)は、ノーコードとオープンソースを両立したLLMアプリ開発プラットフォームです。
この章では、記事全体の要点とDifyの今後の可能性を振り返ります。

Difyが実現する魅力
ノーコードUIによる簡便さと、複数LLMモデルや外部ツール連携の充実によって、多様なAIアプリの開発を短期間で実行できます。企業規模を問わず、多くの事例が示すように業務効率化や新サービス創出の可能性が広がります。
セルフホスティングとクラウド版の両方に対応しているため、導入ハードルも低く、今後さらに普及が進むと考えられます。


参考リンク

Difyの導入を検討する際は、以下のリンクが役立ちます。
この章では、Difyに関する公式情報や事例掲載先をまとめています。

これらの情報源では、機能の詳細や料金プラン、導入事例などが随時更新されています。
ノーコードで高度なAIアプリを開発し、企業やチームのDXを加速させるうえでも、Difyは大きな選択肢になり得るでしょう。

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