【徹底解説】AIエージェントとは?定義・特徴・注目の理由と最新事例まとめ
近年、AI技術の飛躍的な進化により、「AIエージェント」という言葉が世界的に注目を集めています。特にアメリカでは、ビジネスや日常生活においてAIエージェントの活用が進んでおり、その影響力は計り知れません。本記事では、元マッキンゼーのコンサルタントとして国内大手企業の生成AIの導入に従事した仲と、NVIDIAで生成AIシステムの開発に従事した瀧川により、AIエージェントの定義や特徴、生成AIとの違い、注目される背景、そして最新の米国事例までを徹底解説します。
AI導入.comを提供する株式会社FirstShift 代表取締役。トロント大学コンピューターサイエンス学科卒業。株式会社ANIFTYを創業後、世界初のブロックチェーンサービスを開発し、東証プライム上場企業に売却。その後、マッキンゼー・アンド・カンパニーにコンサルタントとして入社。マッキンゼー日本オフィス初の生成AIプロジェクトに従事後、株式会社FirstShiftを創業。
Outerport (Y Combinator S24採択企業) 代表取締役。書類などの「定性的データ」を自然言語を通して「データ化」し、定量的に解析するためのプラットフォームを提供。独自AI推論技術を用いて大規模データや大きな書類でも効率的かつ高精度で対応する。ウォータールー大学コンピュータサイエンス(学士卒業)、トロント大学コンピュータサイエンス(Ph.D. ABD)。NVIDIA社のHyperscale Graphics Systemsチームにて世界初の三次元メッシュの大規模AIモデルを開発。国際学会論文(SIGGRAPH、CVPR、ICCVなど)の引用数は3200を超え、教科書にも記載される。
AIエージェントの定義とは?
AIエージェントとは、人工知能を活用して特定のタスクや業務を自律的に遂行するシステムやプログラムを指します。これらは、単純なルールベースの処理だけでなく、曖昧で非定型的なタスクにも対応できる点が特徴です。具体的には、以下の特徴を持つものが該当します。
- 人間のタスクの代替
従来のソフトウェアがルールベースの自動化を行っていたのに対し、AIエージェントはカスタマーサポートやデータ分析、マーケティングなど、より複雑・曖昧で、明確なルールで定義しづらい業務を自律的に実行できます。
- 環境との相互作用
AIエージェントは、ユーザーや他アプリケーションのAPI等を通じて渡された情報に応じて動作を変化させ、最適な結果を導き出します。
- 学習能力
過去のデータや経験から学習し、タスクの遂行精度を向上させます。
AIエージェントのユーザーインターフェイス
AIエージェントとユーザーが対話するためのインターフェイスは、主に以下の2つがあります。
- テキストベースのインターフェイス
- チャットインターフェイス: ChatGPTやClaudeのように、テキスト入力を通じてAIと対話します。
- 特徴: 詳細で正確な指示が可能。複雑な問い合わせや長文の入力に適しています。
- 具体例:
- SlackやDiscord上でチャットベースでタスクを依頼すると自動的にタスク処理を行うAIチャットボット
- 顧客からのテキストによる問い合わせに対して自動で返答を作成するオンラインチャットボット
- 音声ベースのインターフェイス
- 音声ベースインターフェイス:
- ユーザーの発話を音声データとして認識し、その結果をもとにAIエージェントがタスクを処理します。AIエージェントの登場以前、SaaSなどのソフトウェアはGUI(グラフィカルユーザーインターフェイス)を介してユーザーが操作していたため、音声をインターフェイスとして活用するソフトウェアサービスは限られていました。
- しかし、AIエージェントはユーザーからの発話内容が曖昧な場合でも音声データを適切に解釈・処理し、柔軟なタスク実行が可能です。この特性により、ヘッドフォンなどを装着して作業する産業分野をはじめ、幅広い現場で大きな影響をもたらすと期待されています。
- 特徴: ハンズフリー操作が可能。自然な会話体験を提供します。
- 具体例:
- 物流現場でのトラックの入庫・出庫指示をヘッドフォン経由でAIエージェントが実施
- 建設現場で、各作業員がヘッドフォンを経由し自分の安全確認をAIエージェントに報告。リアルタイムでAIエージェントがチーム全体の安全状況を把握、指示出しを行うことで、現場の作業監督の負担を軽減
- 観光客向けで、音声で質問でき観光名所の案内を自動的に行えるデジタルサイネージ
- 音声ベースインターフェイス:
これらのインターフェイスは、単独で用いられるだけでなく、利用状況やユーザーの好みに合わせて組み合わせることも可能です。その結果、AIエージェントはより柔軟かつ豊かなユーザー体験を提供し、日常生活、ビジネス、公共サービスなど、あらゆる分野で活用可能になると想定されています。
生成AIとAIエージェントの違い
生成AIは、大量のデータから学習し、新たなコンテンツ(テキスト、画像、音声など)を生成することを目的としています。一方、AIエージェントは、AIエージェントは、特定の目標達成のために入力された情報や周囲の環境に応じて、自律的に意思決定と行動を行います。
- 生成AI:情報の「創造」に焦点を当てる。
- AIエージェント:タスクの「遂行」と「行動」に焦点を当てる。
AIエージェントが注目される理由
AIエージェントが注目を集める背景には、以下の要因があります。
- 業務効率の向上
反復的な作業を自動化し、人間はよりクリエイティブな業務に集中できます。
- コスト削減
自動化による人件費や時間の削減が可能です。
- 24時間稼働
休息を必要とせず、常時サービスを提供できます。
- 精度と一貫性の向上
人為的なミスを減らし、安定した業務遂行が期待できます。
AIエージェントが注目される要因となった最新の技術トレンド
Claudeの「Computer Use」機能の登場
Anthropic社のAIモデル「Claude」は、新機能「Computer Use」を導入しました。これにより、AIがユーザーのコンピューター画面を認識し、カーソル移動やクリック、テキスト入力など、人間と同様の操作が可能となりました。ウェブ検索やフォーム入力など、オンライン上の多様なタスクを自動化できる点が革新的です。
大規模言語モデル(LLM)の進化
LLMの性能向上により、AIエージェントはより複雑なタスクを実行できるようになっています。長大な文脈を理解し、必要な情報を抽出する能力が強化され、法的文書のレビューや学術リサーチなど高度な分野での活用が期待されています。
アメリカ・日本でのAIエージェントの有名サービス・事例
米国では、AIエージェントを活用した先進的なサービスが多く存在します。
- Sierra.ai
Sierra.aiは、カスタマーサポート分野で活躍するAIエージェントを提供しています。同社のソリューションは、顧客からの問い合わせに迅速かつ的確に対応し、顧客満足度の向上とサポート業務の効率化を実現しています。特に、AIの返答を各ブランドの特徴やトーンに合わせてカスタマイズできるため、ブランドイメージを損なうことなく導入が可能です
- 11x
11x.aiは、営業活動を支援するAIエージェント「Alice」を提供しています。Aliceは、リード獲得のための顧客発見、メール送信、商談の設定を一貫して自動化し、営業チームの生産性向上と売上拡大に寄与します
- Jasper
マーケティング分野でAIエージェントを活用しています。Jasperのプラットフォームは、コンテンツの自動生成やキャンペーンの最適化を支援し、マーケティング業務の効率化と効果的な顧客アプローチを可能にしています
日本においてもAIエージェントサービスが出始めており、今後更なる市場の発展が期待されています。
- JAPAN AI AGENT(JAPAN AI株式会社)
JAPAN AI株式会社が提供する「JAPAN AI AGENT」は、営業、マーケティング、カスタマーサクセス、人事、経理などの各職種の業務をサポートする自律型AIエージェントです。各企業の業務フローに合わせてカスタマイズが可能で、タスク処理のワークフローを構築し、自動化を推進します
- SmartAgent (NTT Data)
NTTデータが提供する「SmartAgent™」は、利用者の指示に応じてAIエージェントが自律的に業務タスクを抽出・整理・実行する生成AIサービスです。第一弾として営業領域向けの「LITRON® Sales」を提供し、データ入力や提案書作成、契約書作成などのタスクの自動化を進めています
まとめ
AIエージェントは、人工知能を活用して自律的にタスクを遂行する次世代のシステムです。その導入により、業務効率の向上やコスト削減、24時間稼働など、多くのメリットが期待できます。米国での先進事例からも分かるように、AIエージェントはビジネスの在り方を大きく変革しています。
AIエージェント導入のご相談は AI導入.com へ
AI導入.comでは、マッキンゼー・アンド・カンパニーで生成AIプロジェクトに従事した代表を中心に、日本・アメリカの最先端のAIエージェントの知見を集めています。AIエージェントの導入に関するご相談やお問い合わせを無料で承っております。ビジネスの競争力を高めるために、ぜひ以下のお問い合わせフォームよりご連絡ください。
Outerport (Y Combinator S24採択企業) ではNVIDIAで生成AIの推論システムの開発に関わった代表を中心に、「書類、画像や音声」などの定性的データをAIエージェントやデータアナリストが定量的に活用しやすくするために効率的に「データ化」するためのプラットフォームを開発しています。「データ負債」を「データ資産」に変換するために、ぜひ以下のお問い合わせフォームよりご連絡ください!