Perplexity の新AIブラウザ「Comet」がもたらすウェブ体験とは?

これまで、ブラウザで検索を行う際は自分で開いて調べるのが一般的でした。
しかし、検索AIで高い評価を得たPerplexity AI社が打ち出したエージェント検索機能を搭載した次世代ブラウザ「Comet」では、搭載されたエージェントが検索してくれるという新たな顧客体験を提供しています。

この記事では、Cometの概要や主要機能、他社との比較、そして市場にもたらす影響を詳しく見ていきます。

仲 思成
著者: 仲 思成

AI導入.comを提供する株式会社FirstShift 代表取締役。トロント大学コンピューターサイエンス学科卒業。株式会社ANIFTYを創業後、世界初のブロックチェーンサービスを開発し、東証プライム上場企業に売却。その後、マッキンゼー・アンド・カンパニーにコンサルタントとして入社。マッキンゼー日本オフィス初の生成AIプロジェクトに従事後、株式会社FirstShiftを創業。

Cometとは?

Comet(コメット)は、AI検索エンジンで知られるPerplexity AI社が開発を進める次世代ウェブブラウザです。
ここではエージェント検索ブラウザというコンセプトと、Cometの特徴について説明します。

コンセプト

Perplexity AIは**「検索エンジンで革新を起こしたように、今度はブラウザを再創造する」**というコンセプトを打ち出していて、従来のブラウザにAIを追加するだけではなく、根本からブラウザを作り直す取り組みをしています。

Cometの特徴

Cometの特徴として**「エージェント検索ブラウザ(Agent Search Browser)」**という独自の位置づけが挙げられます。ユーザーの指示や行動を先回りして必要な情報を提供したり、ウェブ操作を自動化する点が最大の特徴です。

現在、早期アクセス版へのウェイトリスト登録を受け付けており、多くのユーザーがその正式リリースを待ち望んでいます。
詳しい機能はまだすべて公開されていませんが、Perplexity社が培ってきた大規模言語モデルや強力な検索エンジンのインフラを活かして、より直感的かつ効率的な操作を実現すると見られています。

AI導入.comはCometの正式な発表をもとに本記事の加筆を実施予定です。ぜひブックマークください

Cometの技術的な基盤と主要機能

Cometは具体的にどのような機能を提供するのでしょうか。

Cometの機能を紹介する前に、Cometの理解にはその技術的基盤であるChromiumを理解することが不可欠です。ここでは技術的基盤となるChromiumフレームワークと、想定されるAI機能を紹介します。

技術的基盤となるChromiumフレームワーク

ChromiumフレームワークはGoogle Chromeのエンジンをベースに、アプリに簡単にブラウザ機能を組み込めるオープンソース技術です。

Perplexity社はこのフレームワークを使用して、週あたり1億件以上の検索クエリを処理してきた実績があり、この強力なインフラをCometにも活かすとされています。

ユーザーはWindowsやMac、モバイルOS上でシームレスに使える可能性が高く、AIブラウザとして幅広い利用が期待されています。

機能①AIによる入力予測

**「従来の検索バーに質問を打ち込み始めた瞬間から、AIが意図を推測して関連情報を提示する機能」**がCometに導入されることが期待されています。

CometがChromeなどで行われているキーワードの補完を超え、リアルタイムで要点をまとめた回答や出典を表示することで、よりスマートな検索体験を実現する見込みです。

機能②スマートタブ管理

スマートタブ管理機能とは**AIが各タブの内容を解析して自動的にグルーピンしたり優先度を判断する機能です。**Cometにはこのような機能が用意されると報じられています。

Cometがタブの内容を定期的にチェックし、必要性が低いものはアーカイブや閉じる提案を行うことで、生産性を高める狙いがあります。

機能③パーソナライズされたコンテンツ提供

「ユーザーの閲覧履歴や嗜好を学習し、関連するニュースや動画を積極的にレコメンドする機能」が導入されると推測されています。

Cometは単に記事を一覧表示するだけでなく、ユーザーごとに最適な情報を先回りして提示するブラウザを目指しています。

機能④高度な文章作成支援

Cometの自然言語処理の強みを活かし、「メールやブログ投稿などの文章校正やリライトをリアルタイムで提案する機能**」**が導入される見込みです。

ビジネス文書や学術レポートなどの作成時に、文章表現の精度向上や誤字脱字の自動修正が期待できます。

機能⑤AIベースのセキュリティ強化

Cometではフィッシングサイトやマルウェアを高精度に検知し、警告を発するブラウザ機能を備える見通しです。

従来のChromium由来のセーフブラウジングに加えて、Cometも詐欺サイトを検知・発見できるようになると期待されています。

ChatGPT・Gemini・Claudeとの比較

生成AIの代表格といえるこれらのモデルと比べると、Cometはどのような特徴があるのでしょうか。

ここではChatGPTやGoogle Gemini、Claudeの特徴と相違点ついて説明します。

製品 主な特徴 利用ケース 差別化ポイント
Comet AIエージェント付きブラウザ ウェブ操作・検索支援 ブラウザ全体でAIが動作
ChatGPT 高性能対話型AI 文章生成・質問応答 対話に特化、最新情報は別途対応
Gemini マルチモーダル大規模言語モデル 創造的文章生成・検索 Googleサービスとの深い連携
Claude 長文コンテキスト処理と安全性重視AI 長文要約・文書解析 長文処理に優れ、安全性が高い

上記の表は、各製品の特徴をまとめたものです。

ChatGPTやGemini、Claudeはチャットを前提とした対話型AIとしての活用が主となっており、ブラウザの中の1タブを開いてそこで使用する形になります。

一方でCometはAIがブラウザ全体を支援する点で他と異なり、タブの管理などのWebブラウザ操作に自動化まで行うことができます。

特徴を踏まえるとネット検索を行うような場合においてはCometを使うことがおすすめでしょう。

Cometに想定される活用方法

Cometはリサーチ・分析などに活用することができると想定されていますが、具体的にどのようなシーンで役立つのでしょうか。

ここではビジネスから日常生活までの具体的な活用方法を紹介します。

リサーチ・分析

Cometの活用方法の代表例として**「エージェント、大量の検索・情報収集や分析を効率化する」**ことが挙げられます。

金融・マーケティングリサーチなどで必要なニュースやレポートをまとめ上げ、リサーチと分析を自動化する使い方が想定されています。

メールなどの定型業務

メール業務に関しては、Cometの登場により**「定型業務をAIに任せることで、メール返信や在庫管理などを自動化できる」**可能性が注目されています。

大量のメールそれぞれに返信メールを新規タブで開いたりすると、どうしてもタブが多くなりがちですが、このようなシーンでも、スマートタブ管理が役立ちそうです。

ネットショッピングや旅行予約

Cometは**「**ネットショッピングや旅行予約など、**複数サイトを横断しながら最適プランを探す作業」**に活用できる可能性があると言われています。

このようなビジョン段階はComet自身が掲げており、今後実現する可能性高いです。

商品や旅行プランを比較する時に必要なサイトだけがまとめて表示されるとタブを1つずつ開いて見比べる手間が省けます。検索の負担が軽減されるだけでなく、時間の節約にも繋がり、より快適なオンラインショッピング・予約体験が実現されそうです。

レポート作成

Cometは参考資料の検索から文章作成支援まで一貫してAIがアシストする機能を持っているため、レポート執筆やニュース記事作成に活用することでそれらの業務をスムーズに行うことができます。

タブ管理によって多くの参考サイトをまとめて整理されることで、引用や参考文献の管理にも役立ちそうです。

料金プラン

Cometは現在、料金体系に関して発表はされていません

Perplexity AIの既存サービス(AI検索・アシスタント)では基本無料で利用でき、一部高度機能に有料版(Proプラン)が用意されるフリーミアムモデルを採用しています。そのためCometブラウザについても、基本機能は無料開放し、より高度なAI機能や使用量に上限を設ける形で課金プランを設定する可能性があります。

参考までにPerplexity AIの既存サービスの料金プランについてご覧ください。

プラン名 料金 主な機能・特徴
無料プラン(Standard) 無料 - 無制限のQuick Search(一般質問に高速回答)- 1日5回まで高性能モデル(GPT-4等)によるPro検索を試用可
プロ版(Perplexity Pro) 月額20ドル - 1日300回以上のPro検索が可能- GPT-4oやClaude 3(Opus / Sonnet)など高度なモデルが選択可
エンタープライズ版(Enterprise Pro) 月額40ドル/ユーザー(年払い400ドル/年) - チーム利用・API連携・独自データ統合・セキュリティ要件対応など企業ニーズに対応

Cometがブラウザ市場に与えるインパクト

Cometの登場は既存のブラウザシェアや検索エンジンにどのような影響を与えるのでしょうか。

ここでは大きなポイントとして3つ紹介します。

影響1:Googleの検索支配状態の破壊

CometはPerplexity検索とブラウザを垂直統合することで、**「検索したいユーザーをそのまま自社検索に誘導し、全員がGoogle検索を活用している支配状態を揺るがすほどの影響を与えうる」**と言われています。

OperaやArcなどの他のAIブラウザも台頭しており、Cometがどこまでユーザーを取り込めるかは未知数ですが、「エージェント検索による革新的な体験」が実現すれば、市場の勢力図に大きな変化が起きるかもしれません。

影響2:Webサイトの広告収益モデルの変化

また、Web検索結果の要約表示が中心になると、参照元の記事をユーザーが参照しなくなる恐れがあり、Webサイトの広告収益モデルが変化する可能性もあります。

影響3:著作権の問題

Comet等のAIブラウザが記事を要約して表示し、参照元の記事を表示しないようになるとニュースメディア等から著作権の問題について取り沙汰されるリスクもあります.

まとめ

Cometが本当に「ブラウザの再発明」を実現できるか、多方面から大きな注目が集まっています。

Perplexity AI社の大規模言語モデル技術は高く評価されており、正式リリースでは「AIアシスタントの域を超えたブラウザ体験」が期待されます。

一方、他ブラウザによるLLM導入も現実化すれば競争は激化するでしょう。Cometがセキュリティやプライバシー管理、権利関係の遵守など完成度を高められるかが普及の鍵となりそうです。

実際に「エージェント検索」がウェブ体験を根本から変えるかは、早期アクセスのテストやユーザーフィードバックで見極められる見込みです。 ​

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